夏の暑い時期は、上は半袖のサイクルジャージ一枚で走っている方が結構いらっしゃいます。
カッコ良いか悪いかは議論の別れる所ですが、暑い時は前をはだけて走っている人も結構見かけますよね。
実は私は、暑い時期であってもサイクルインナー(アンダーウェア)を着るべきだと思っている人間なのですが、そのことについては別の記事にまとめていますのでこちらをご覧ください。

今回は冬におけるインナーのお話。
冬は、防寒の観点からインナーを着る人も多いと思いますが、実はインナーは夏以上に重要な役割を果たします。

冬のインナー選びはとても重要です!
なぜか。
今回はそのことについてご紹介します。
サイクリングインナーの3つの役割


まずはサイクリングインナーの役割について説明します。
インナーには大きく分けて3つの役割があります。
吸汗速乾で汗冷えを防ぐ
サイクリングインナーの第一の役割は、汗を素早く体から離して乾かすという役割です。
サイクリングは冬でも汗をかきます。
インナーをきていないと汗で濡れたウェアが直接肌に触れて、運動量が落ちた時に汗が体を冷やしていわゆる「汗冷え」を起こし体調を崩してしまうことがあります。
インナーは「汗冷え」を防ぐため、かいた汗を素早く吸収して、肌を常にドライに保つ役割を担っています。
体が冷えると体が硬くなり自転車の操作に影響がでたり咄嗟の動作ができなくなったりします。
ダウンヒルや風の強いところでライドをしていて、汗びえになるとブレーキやハンドル操作が遅れて落車や事故につながるという可能性が高くなり非常に危険です。
汗による体温の急激な低下を防ぎ、パフォーマンスの維持や体調不良の予防につながるので、夏も冬もインナーの機能として必ず確認すべき機能です。
特に冬は、体が冷えて凍えてしまい低体温症などのリスクが非常に高まり、命に関わる危険性もゼロではありません。
体をサラサラの状態に保ち、汗冷えを防止する必要性は夏以上に高いと言えます。
そして重要なことですが、吸汗と速乾はセットでなければなりません。
汗を吸う機能があっても生地が汗でベトベトになってしまうような吸汗では意味がないのでこの点はご注意を。



吸汗速乾はインナーの役割の中で一番重要で欠かせないものです。
体温調節を効率的に行う
吸汗速乾機能を持っているインナーに紫外線防止や保温機能を加えてより快適にサイクリングを楽しむことができるようにするものです。
冬のインナー選びでは、とくに保温性が重要になってきます。
とくに冬の長時間のライドなどでは防風機能や保温機能を重視する方も多いのではないでしょうか。
冷たい風を防いだり、体の熱を保持して暖かさを保つなどの機能があると冬のライドは快適になりますよね。
ただし、吸汗速乾機能がないインナーは保温機能がいくら高くてもサイクリングには向いていませんのでご注意を。



冬のサイクリングではウェアは暖かくても汗冷えしないものを!
スレや透けを防ぐ
薄い色のサイクルジャージなどを着ると素肌が透けて見えることがありますよね。
男性はあまり気にしない人もいると思いますが、見た目はあまり良いとは思わない人もいます。
そういう人もいますので周囲の目はやはり気になるところです。
冬はあまりないとは思いますが、前をはだけて走るのもあまりカッコ良いとは思わない人もいます。
インナーを着ていれば走行中にジッパーをおろしても素肌が見えません。
カッコ良いかどうかは別として、周囲の目はそれほど気にならないのではないでしょうか。
また、ビブショーツなど肩紐のあるものを直接素肌に着用すると擦れて赤くなったり痛くなったりする人もいます。
ビブショーツをインナーを着てから肩紐を通せばそう言った不快感を感じずにすみます。
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見た目や快適性という点でもインナーの役割は大きいです
サイクルインナーの選び方のポイント


では、サイクルインナーを選ぶ時、どのような点を確認する必要があるでしょうか。
インナーを選ぶ際のポイントを解説します。
素材を選ぶ



サイクルインナーで最も重要なポイントです。
素材とはインナーの繊維の素材です。
ポイントは「吸水性」ではなく「疎水性」で繊維を選ぶということ。
先ほど「吸汗速乾」機能が一番大切だと書きましたが、そこに直接的につながるポイントです。
生地の素材には「吸水性」に優れた生地と「疎水性」にすぐれた繊維があります。
吸水性に優れた繊維 | 疎水性に優れた繊維 |
ウール(毛) コットン(綿) リネン(麻) レーヨン など | ポリプロピレン ポリアミド ナイロン ポリエステル など |
サイクルインナーに必要なのは一度吸った汗を肌に戻さない素材です。
その点では疎水性に優れた繊維を生地に使っているインナーを選ぶのが原則です。
ただし、繊維の性質は疎水性があるポリエステルなどには吸水性を高めた素材もありますし、ウールであってもメリノウールのように汗が肌に戻らない性質のものもありますのでその点は注意が必要です。
また、メッシュ生地であるかないかという点も速乾性や暖かさに影響しますので目的に応じて選ぶ必要があります。
サイズを選ぶ
インナーの機能で一番大切なのは吸汗速乾の役割。
この役割を100%発揮させるためには、インナーの生地が素肌にピッタリと密着している必要があります。
したがって、インナーのサイズはタイトフィットでなければなりません。
インナーはかいた汗を吸い取って肌から離す役割を果たすので肌にある汗をしっかりと吸い取らせなければなりません。
ただし、インナーの上に着るサイクルジャージやジャケットが、インナーが吸い取った汗を蒸散させる役割も担うので、ジャージなどもフィット感の高いものを着る必要があります。



サイクルウェアがピチピチである理由のひとつでもありますね
サイクルインナーは機能重視で選ぶ
初心者の方でサイクルウェアを購入する時に、カッコ良いジャージやジャケットを購入しても、外から見えないインナーにはお金をかけないという人がいます。
これは間違い!
インナーウェアにこそお金をかけてください。
理由は、「インナーウェアの役割」で申し上げた通り。
汗冷えは、季節を問わず体の体温を奪ってしまい、体調を崩したり、それが原因で落車や事故を起こしたり、冬は低体温症になって命の危険も生じるリスクがあるからです。
インナーウェア選びを疎かにせず、値段より先に素材や機能を十分吟味して、自分にあったインナーを探しましょう。
値段はその次です。
冬のサイクリングにおすすめのサイクルインナー7選
紹介するサイクルインナーは7選中6つが日本のブランドです。
サイクルインナーは、日本のメーカーで優れて機能性を持ったものも多く、ウェアのブランドにこだわりがないのであれば、コストパフォーマンスの高いインナーが揃っています。
そして私が実際に使用しているインナーを紹介しています。
Morthan(モーゼン)裏起毛インナー


Morethanは広島発の日本のブランド。
素材は90%ポリエステル、10%スパンデックス。
人間工学にもとづいた3D立体裁断の縫製で、シームレス縫製で体にピタッとフィットします。
中は裏起毛のフリース素材で体温が奪われにくく暖か。
汗を素早く吸収し、湿気を体から逃がして常にドライに保つことができます。
ただし、裏起毛の厚い生地であるため、大量の汗をかくと汗の抜けは少し悪くなりますので、汗かきのかたはご注意を。
大手ブランドに比べて価格がリーズナブルで高品質な製品が多く、私もインナーだけでなくサイクルウェアも利用しています。
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コストパフォーマンスが良く、特に普段使いには最適です。
サイクルウェアで使用している繊維はすべてOeko-Tex Standard 100に認定されています。
Oeko-Tex Standard 100とは、繊維製品が人体に有害な化学物質を含んでいないことを証明する、世界最高水準の国際的な安全認証ラベルです。このラベルの付いた製品はすべて有害化学物質に関する安全性試験にクリアしたことが証明されるものです。
PEARL IZUMI(パールイズミ)173サイクル 長袖ドライアンダーシャツ


パールイズミはサイクリストには有名な日本ブランドですね。
こちらは100%ポリエステルのインナー。
ソフトな肌触りで、吸汗速乾性もしっかりしています。
カタログでは15℃帯でのサイクルインナーとなっていますが、私は秋から冬にかけてかなり長く使っているインナーです。



着心地がとてもよく、私がかなり気に入っているサイクルインナーです。
PEARL IZUMI(パールイズミ)198サーマフリース ドライアンダー


こちらもパールイズミ。
ポリエステル90%、ポリウレタン10%のインナーです。
こちらは生地が少し厚く、5℃対応でサーマフリースという裏起毛の保温素材が寒風もブロックする暖かさ。
ハイネック仕様でストレッチ性を合わせ持ち、肌触りもよく体によくフィットします。
真冬の寒い時はこのインナーを着ますが、汗ばんでもサラッとした肌触りで暖かさが抜群です。



このインナーの上にジャケット一枚でも十分暖かいと感じます。
KAPELMUUR(カペルミュール) 長袖サーモアンダーウェア


カジュアルなサイクルウェアを得意としたブランドですが、機能性が高いウェアが数多くあります。
こちらのインナーは、生地は薄いですが、暖かく汗冷えしません。
素材はポリプロピレン100%。
速乾性が高く、繊維自体が保水しないため、汗を素早くアウターウエアに移動させ、汗冷えやムレを防ぎます。
フラットシーマ縫製を採用しています。 繊維表面が非常に滑らかで汚れがつきにくく水分蒸発を促しかつ保水しないので、バクテリアなどの発生が少なく衛生的です。



ただし、非常に薄くてやわらかく、扱いに少しばかり神経を使います。
おたふく手袋 BTパワーストレッチ(JW-170)


コスパの良いインナーウェアといえばおたふく手袋。
素材はポリエステル90%、ポリウレタン10%。
お値段はなんと1000円を切る安さのものもあります。
しかしながら、裏地の起毛素材にレーヨンが含まれているので、汗を大量にかくと汗冷えの心配がないとは言えません。
ただし、起毛部分は肌から生地を離す役割があるので、私が実際に着ても多少の汗をかいても汗冷えが気になることは今のところありません。
もし心配なら、値段が安いので、一枚目に速乾性の高いファーストレイヤーを着用すると安心です。


こちらは外側がポリエステルで、内側に疎水性が高いポリプロピレンを使用しており、メッシュ編みで汗冷えを防いでくれます。



私は、真冬のロングライドではこの組み合わせでライドすることもあります。
FINETRACK(ファイントラック)ドライレイヤーベーシック


こちらは、サイクルウェアというより登山ウェアとして定番のインナーです。
ファイントラックは、レイアリングを基本としたウェアのラインアップをトータルで提案するブランドです。
その中でご紹介するドライレイヤーは直接肌に着るもので、その上に吸汗速乾のウェアを着るのが前提になります。
私の場合は、秋ならこのドライレイヤーの上に長袖の15℃対応くらいのサイクルジャージを着ることが多いです。
極寒のロングライドの場合は、さらにその上に防寒や防風のジャケットを着ることで寒さを防ぎます。
とにかく汗をかいても全く肌が濡れることがなく、レイヤー自体も湿り気を帯びることがありません。



着心地も軽くて柔らかく汗冷えも全くしない優れものです。
MILLET(ミレー)アンダーウェア ドライナミックメッシュ


ミレーも登山用品の定番ブランドです。
ミレーはフランスのブランドで、1921年創業の登山向けの製品を販売する老舗です。
そのミレーが季節を問わず汗冷えと不快感を軽減する究極のドライ感を追求したアンダーウェアです。
ポリプロピレン66%、ナイロン28%、ポリウレタン6%という素材。
厚みのあるメッシュ構造が特徴で通気性と汗を肌から遠ざける役割とともに、メッシュの中にデッドエアーをためて保温効果を高めるという機能もあります。
私はノースリーブしか持っていないので、夏の間しか使用しませんが、汗冷えは全くしない優れものです。
ロングスリーブであれば十分冬でも使えると思います。



でも、生地が厚いので脱ぎ着するのに結構苦労します。
まとめ


汗によって体を冷やすことは、体調不良やパフォーマンスの低下を招くことになりますし、真冬においては低体温症を招いてしまううリスクも高まります。
サイクルインナーは、吸汗速乾による汗冷えの防止をするために季節を問わず必要であると私は考えています。
カッコ良い機能的なサイクルウェアを買ってサイクリングを楽しむのも素敵ですが、まずはインナーウェアの重要性を理解して、サイクルインナーにもしっかりとお金をかけることによって快適で楽しいサイクリングを楽しんでいただけたらと思います。
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