ミラーレスにフルサイズはいらない!?〜私がライド用カメラでAPS-Cを使う理由〜

こんにちは。

よすけです。

 

今日はちょっとカメラの突っ込んだ話題を。

私がライドで持ち運ぶカメラは、スマホ、コンデジ以外はミラーレス一眼です。

ミラーレス一眼でも、しっかり撮りたい時に持っていくカメラはAPS-C機です。

なぜフルサイズ機ではなくAPS-C機なのか?

私は、かつてはフルサイズ機を持って写真を撮っていました。

でも、ロードバイクでカメラを持ち運ぶようになって、フルサイズからAPS-Cに完全移行してしまいました。

私はライドで持ち運ぶカメラはAPS-Cのカメラが最適だと思っています。

 

よすけ
それはなぜか、その理由をお話いたします。
  • 一眼カメラはAPS-C機かフルサイズか悩んでいる人
  • ライドで持ち運ぶ一眼を探している人

なぜライドにはAPS-Cのミラーレス一眼が最適解なのか、その理由をわかりやすく解説していきますので、最後までよんでみてくださいね。

 

APS-Cとフルサイズは何が違うのか

APS-Cとはデジタルカメラの目とも言われるセンサーサイズの名称。

センサーサイズは、フィルムカメラの35mm版と同じ大きさのセンサーサイズを「フルサイズ」と呼びます。

APS-Cのセンサーはフルサイズの2分の1以下の面積になります。

ちなみに「APS-C」とは「Advanced Photo System type C」の略です。

このtype Cというのは「Classic」の意味で、昔の写真と同じ縦横比が3:2の写真が撮れるという意味です。

他に、type H、type Sというのもありますが、それぞれ縦横比が9:16、1:3のものです。

とはいえ、このようなことを覚える必要はなく、APS-Cが何かがわかればそれでOKです。

 

APS-Cとフルサイズの違いはこのセンサーサイズの違いが基準となって、画角や画像の違いとなって現れてきます。

とくに画角(写る範囲)は、フルサイズに比べてAPS-Cは狭くなります。

焦点距離で言うと、フルサイズで50mmの画角と同じ画角で撮ろうとすると、APS-Cはフルサイズ換算で約33mmの画角が必要となります。

つまり、同じ焦点距離なら、APS-Cの方が約1.5倍大きく写るということです。

逆に言えば、同じ焦点距離ならフルサイズのカメラのほうがより広い範囲を写すことができるということも言えます。

APS-Cセンサーの50mmでの撮影イメージ フルサイズの50mmでの撮影イメージ

 

 

フルサイズの方が有利と言われているのは?

以下のような項目では、一般的にはAPS-Cよりもフルサイズの方が有利だと言われています。

 

ボケやすい

よく言われるのが、フルサイズの方がボケ量が多くなります。

私がフルサイズ機を使っていた理由はこのボケ量が多いこと。

綺麗なボケをしっかりと楽しめるから。

ボケ量は、被写体までの距離と焦点距離などの関係性から成り立つ「被写界深度」が大きく影響します。

一般的には焦点距離が長い分、ボケ量は多くなると言われています。

SONY α7Ⅲで撮影

つまり、全く同じ条件で撮影したとき、APS-Cで焦点距離50mmの画角の場合、フルサイズでは1.5倍の75mmの焦点距離になります。

つまりフルサイズの方が焦点距離が長くなるのでボケやすいということです。

 

ボケ量は絞り値(F値)でも変わってきます。

フルサイズとAPS-Cでは、絞り値で一段分ボケ量が違うと言われています。

つまり同じカメラで撮ったとき、絞り値を一段絞ったものと比べるときの違いと同じということです。

下は同じカメラでF値を一段分変えて撮った例です。

F値:1.4 F値:2.0

いかがでしょうか。

F値が2.0の方が少し後ろのダンボーが多少はっきり見えると思います。

この差がフルサイズとAPS-Cのボケ量の違いのイメージです。

 

ダイナミックレンジが広い

センサーサイズが大きいということは、それだけ光を多く取り込めるということ。

これは、写真の暗い部分や明るい部分の色の情報が多いということです。

そのために、明るい部分が真っ白になる白飛びや暗い部分が真っ黒になる黒つぶれが少なくなります。

ダイナミックレンジに幅があるということは、写真をレタッチするとよくわかります。

たとえば撮って出しでは黒く潰れているように見えている所でもレタッチすると暗い部分にしっかりと情報が取り込まれていることがわかります。

レタッチ前 レタッチ後

上は以前保有していたフルサイズ機(SONY α7Ⅲ)で撮った画像です。

レタッチした時に、フルサイズで撮った写真の方が情報が多く含まれ階調が豊かになるというわけです。

ただし、APS-Cで撮った写真と比較してという程度の問題です。

 

暗所性能(高感度耐性)が高い

フルサイズ機は、夜などの撮影で感度をあげて撮影する「高感度撮影」に強いと言われています。

暗所や夜景などの写真撮影は、写真のISO感度をあげて撮影します。

ISO感度をあげて撮影すると、画質低下の大きな要因である「ノイズの発生」が避けられません。

少し極端な例をあげますが、これも以前保有していたカメラで撮影したもの。

あいにくAPS-C機で撮影した星空の写真がなく、1インチセンサーのコンデジとフルサイズの一眼レフの比較になります。

写真をクリックすると大きい写真が見れますので、違いがよく分かると思います。

例は、1インチセンサーのコンデジとの比較なのでAPS-Cの場合はここまで画質の差はでません

これも程度の問題。

 

視点を変えるとAPS-Cもフルサイズも変わらない!

さて、フルサイズとAPS-Cの違いについてご理解いただけたでしょうか。

確かに、上記の点でフルサイズの方が有利であるというのは事実です。

それは間違いありません。

しかし、その違いは致命的な違いかと言うと、そうではないというのが私の意見です。

 

ボケについて

上の写真例をもう一度見てください。

上記にお示した違いは、「一定の条件のもとでは」という但し書きがはいります。

写真のボケに違いが出るのは、「同じ画角とF値で撮った場合」という条件が付くのです。

つまり、フルサイズで50mmのf2.8で撮った写真とAPS-Cで(50✕1.5)の約33mmでf2.8で撮った写真を比較する。

そうすると、フルサイズのボケ量が大きいと言うことなのです。

 

フルサイズもAPS-Cも50mmのレンズで同じf値で撮った写真を比較してみるとわかります。

フルサイズで撮った写真をAPS-Cの画角まで引き伸ばして、APS-Cの写真と比較すると、ボケ量は全く同じになります。

理屈がわかると当たり前といえば当たり前なのですが、このように条件を変えるとAPS-Cがボケ量が少ないとは言えないのです。

現在フルサイズ機を持っていないので比較した写真をお示しできないのが残念。

この点をわかりやすく解説しているサイトがありますので、ご紹介しておきます。

studio9

デジタル一眼で写真を撮り出すと、必ず言われる事があります。それは、”フルサイズはボケやすいけどAPS-Cはボケにくいよ”…

 

現実的な観点で具体的にお話します。

APS-C機でフルサイズと同じ様に豊かなボケを楽しむことは可能です。

APS-C専用レンズには、F値が小さいレンズが揃っています。

たとえば、50mm f1.0のレンズ。

このレンズで撮った写真は、フルサイズでは75mm f1.4と同等のボケ量になります。

APS-C用のレンズにはこのようなF値の小さい大口径レンズが結構揃っているのです。

サードパーティのレンズもかなり揃ってきています。

こちらの写真は、私が現在保有しているFUJIFILM X-S10にKamuLan 50mm f1.1というサードパーティのレンズを装着して撮ったもの。

この画角で後ろのベンチが綺麗にボケてくれています。

何も言わないで「フルサイズで撮った」と言ってもわからないかもしれません。

 

画質について

画質については、ダイナミックレンジの広さや高感度耐性の差は、センサーサイズに影響するので性能差として受け入れざるを得ません

フルサイズで撮った写真は階調豊かですしノイズも少ないです。

でも、その差はどれほどのものでしょうか。

写真を作品として、写真コンペや写真展に出品する、プロとして写真で生きていく、という人であれば、間違いなくフルサイズを使う必要があります。

しかもカメラもフルスペック(高級カメラ)は絶対ですね。

 

でも、ライドで美しい写真を趣味として撮る場合は?

SNSやWebで写真を公開はしますが、印刷してもせいぜいA4版程度という場合はどうでしょうか。

たぶんWebで写真を見た限りフルサイズで撮ったかAPS-Cで撮ったかの区別はつきません。

 

カメラの画質については、センサーの画素数でも表せます。

APS-Cのカメラの画素数はどれくらいだと思いますか?

私が持っているFUJIFILM X-S10で、2610万画素です。

一方、Instagramは116万画素、Twitterは13万画素、テレビの4Kでも800万画素の解像度です。

雑誌の一面やポスター、個展で大きな写真を印刷するというようなことが無い限りAPS-C機の画素数は十分な画素数です。

 

高感度も星景写真を本格的に撮るのであれば、フルサイズの方がノイズは遥かに少ないです。

しかし、APS-C機で星景写真を撮っている人もいます。

ノイズの処理は画像エンジンの性能にも関係しますので、夜間に強いAPS-Cサイズ以下のカメラもあります。

 

つまり画質については、フルサイズの方がベターではあります。

しかし、ライドにカメラを持っていって趣味の範囲で写真を撮る程度であれば、ほとんど区別はつかないということです。

 

 

APS-C機が圧倒的に有利な点

 

ボケ量はレンズの問題、画質は趣味で撮影する分にはほとんど区別はつかないということであれば、APS-C機で十分。

むしろ、ライドでカメラを持ち運ぶのであれば、APS-C機の方が圧倒的に有利な点の方が多いのです。

 

携帯性

センサーサイズが小さい分、APS-C機は本体のサイズを小さく、軽くできます

これはライドでカメラを持ち運ぶのに非常に重要なメリットです。

一方、フルサイズ機の場合は、APS-C機よりも大きく重くなります。

サイズ的には同じグレードのカメラならAPS-Cより一回り大きいイメージ。

 

たとえば、私が使っているX-S10は、本体重量が465g(バッテリー、SDカード含)。

フルサイズ機は、たとえばSONY α7Ⅲは650g(バッテリー、SDカード含)。

フルサイズの小型機の同じSONYのα7cは509g(バッテリー、SDカード含)と善戦はしていますが、それでもX-S10よりは重い。

 

これはレンズも同様。

APS-C用は、センサーサイズが小さい分、軽量コンパクトになります。

一方のフルサイズセンサー用は、センサーが大きい分、レンズも大きくする必要があります。

その分重くなってしまいます。

レンズの比較は難しい部分もありますが、あえて比較してみましょう。

標準ズームと言われているもので同じようなズーム領域のものを比較。

FUJIFILM XF16-80mm F4 というレンズは、フルサイズ換算で24-120mm相当のレンズ。

重さは440g。

SONY FE 24-105mm F4というレンズ。

重さは663g。

 

つまり、レンズとセットで考えると、X-S10が905g

フルサイズは、α7Ⅲで1,313gα7cで1,172gと1kgを超えてしまいます。

 

ライドで持ち運ぶのにできるだけ軽くしたいとすれば、X-S10になりますよね。

 

価格

価格も軽量コンパクトにできるAPS-C機の方が安価です。

実売価格で比較してみましょう。

いずれも新品価格での比較。

 

まずはボディのみの価格。

 

続いて先程比較したレンズ。

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ボディとレンズ合わせると、X-S10は21万円強、α7Ⅲは43万円強、α7cは36万円強となります。

フルサイズ機が、レンズを含めるといかに高いかがおわかりになると思います。

いや、キットレンズであればそれほど差はないのでは?

調べてみましょう。

X-S10は16万円若、α7Ⅲは型落ちということもあって17万円強、α7cは27万円強。

これでも最安値はX-S10でした。

この記事を書いている時点では、α7Ⅲのレンズキットはお買い得かも?

でも、ちょっとまってください。

その後、広角レンズや望遠レンズ買わなくていいんですか?

 

 

カメラはシステム全体で考える

一眼カメラは、カメラ本体だけでなく、レンズのラインアップも含めてセットで考えなければいけません。

とくに良いカメラを買えば、良いレンズが欲しくなります。

以前の記事にも書きましたが、一眼カメラの魅力は、レンズを交換することで画角が自由自在に買えられることです。

つまり、カメラ本体とレンズのシステム全体で価格や利便性を考えなければならないのです。

 

そう考えると、たとえ本体価格が型落ちで安くなったとしても、レンズ価格を含めるとフルサイズ機はお財布に優しい価格とは言えません。

将来、複数のレンズを揃えていくとなればなおさらです。

 

少し前までは、APS-C専用のレンズはあまりラインアップが充実していないということがありました。

しかし、最近はサードパーティからもAPS-C用のレンズがたくさん出てきています。

レンズ選びで困る、ということはあまりなくなってきています。

 

さらに、APS-C機はフルサイズ用のレンズは使うことができますが、フルサイズ機はAPS-C用のレンズを使うことができません。

SONYの用にAPS-Cモードがある場合は使えますが、その場合センサーの一部だけを使うので、場合によってはAPS-C機よりも画質が落ちる場合もあります。

 

つまり、一眼カメラは、本体の性能とレンズの性能やラインアップを含めたシステム全体でのコストパフォーマンスを考えねばならないのです。

出典:FUJIFILM公式サイトより

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

誤解のないように申し上げておきますが、フルサイズがライド向きでない、と言いたいのではありません。

APS-C機の方が、システム全体を考えても、ライドで持ち運ぶには最適ではないかということです。

プロ機並みのスペックで本格的に写真を撮るというのであれば、迷うことなくフルサイズ機を購入すべきです。

どんなに重くて嵩張っても、フルサイズの高画質を追求すべきだと思います。

 

しかし、ライドでカメラを持ち運ぼうという方は、スマホよりも感動的で印象に残る写真が撮りたいと思いカメラを買った方がほとんどではないでしょうか。

ライドでの思い出、美しい景色を残しておきたい。

その写真をSNSやWebで共有したい。

そう思ってカメラを持ち運んでいる方がほとんどではないでしょうか。

 

であれば、フルサイズ機は少々オーバースペックでお財布にも持ち運びにも優しくない。

APS-C機は小型軽量なシステムを組めるし、価格もリーズナブル。

よすけ

ライドで持ち運ぶカメラとして最適とは言えないでしょうか。

 

私はAPS-C機のFUJIFILM X-S10を使っていますが、その理由についてはこちらの記事を↓

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ライドで素敵な写真をたくさん撮って、ますますライドが楽しくなるサイクルライフをお過ごしください。

 

 

 

 

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