今回も電動アシスト自転車の試乗レビューです。
最近、電動アシスト自転車ばかり試乗しておりますが、今回は、
というミニベロタイプの自転車。
この自転車、まだ日本国内では手に入らない自転車なんです。
現在、クラウドファンディングサイトのMakuakeで限定販売中の自転車です。
購入して実際に自転車が手元に届けられるのは、来年5月以降の予定です。
なので、今現在は日本で走っていない自転車です。
今回は、鑫三海(シンサンカイ)株式会社様から、試乗用の自転車をご提供いただきました。
今回の試乗用の自転車は、海外仕様を日本国内で走行できるように日本の規格に合うように調整してご提供いただいたものです。
ですので、細かい部分が実際の製品版と異なる部分があるかもしれませんので、予めご承知おきください。
また、自転車のレビューについては、いつもの通り、いいなと思ったこと、ここはもう少しだなと思ったことを、忖度無くしっかりとレビューさせていただきました。
- ミニベロや折り畳み自転車の購入を考えている方
- メインとは別にセカンドバイクを探している方
- E-bikeに興味のある方
- ゆるポタ用の、の〜んびり走れる自転車が欲しいと思っている方
- 通勤通学用バイクが欲しいと思っている方
にご参考になる記事になっています。
ぜひ最後までお読みくださいね
QiCYCLEとは?
試乗レビューの前に、QiCYCLEという自転車ブランドについて。
QiCYCLEは、「チーサイクル」と読むのが正しいようです。
2012年に健康とスポーツを専門分野としたインターネット・テクノロジー企業として設立。
2014年には中国大手スマホメーカーである「小米(Xiao mi)」(シャオミ)の投資を受けて自転車の研究/開発をすすめ、2016年に電気アシスト折りたたみ自転車「EF-1」の開発に成功。
中国国内で年間で約2万8000台を販売。
2018年には、この「EF-1」を日本の規格に調整し、日本でも販売しています。
※EF-1 Proとして販売していましたが、現在は販売が終了しているようです。
C2Jについて
C2Jの仕様
QiCYCLE C2Jの仕様 | |
商品名 | QiCYCLE電動アシスト自転車C2J |
ブランド | QiCYCLE |
本体サイズ | 153×53×106cm (全長×幅×高さ) ハンドル折りたたみ時は、153×43×72.5cm |
重さ | 約20kg |
総合耐荷重 | 最大約120kg |
モーター | ブラシレスDCモーター |
センサー | トルクセンサー |
変速機 | SENSAH V8 (8段変速) |
アシスト | 3モード |
アシスト上限速度 | 24㎞/h |
充電時間 | 約5.5時間 |
走行可能距離 | 60㎞(フル充電) |
バッテリー容量 | 36V 7500mAh リチウムイオン電池 |
定格出力 | 250W |
定格電圧 | 36V |
入力 | 42V |
フレーム素材 | アルミニウム合金 |
タイヤサイズ | 20インチ |
防水レベル | IPX3 |
推奨身長 | 155-180cm |
カラー | 黒 |
価格(予定) | 168,800円(税込)〜 |
C2Jは、車両本体は台湾のヨンチー (台湾) 車両株式会社という会社とQiCYCLEがパートナー契約を結び、開発したもの。
ヨンチー(台湾)株式会社は、主に自転車、電動自転車、三輪車の生産に従事し、年間300,000台の自転車を生産している会社。
米・欧州の有名自転車ブランドとのパートナー契約を交わしている会社です。
C2Jの特徴
ひと目見ても、電動アシスト自転車であるとはわからないスマートなデザインです。
バッテリーは真っすぐ伸びたフレームの中に収納されており、BMS(バッテリー・マネジメント・システム)を搭載しており、10年間使用可能を謳っています。
多摩湖を背景に撮ってみましたが、すっきりとしたデザインがいい感じですね〜。
そして、特徴的なのが、ハンドルに一体化されている液晶画面。
通常の表示情報は、速度、アシストモード、バッテリー残量で、それほど多くありませんが、大きくて見やすい表示です。
コントローラーはハンドルの左側についています。
折りたたみ自転車といえるほどコンパクトにはなりませんが、ハンドルを折りたたむことができます。
シートポストを短くすれば、高さは72.5cmになりますので、天井の低いSUVでも車載することは可能です。
ただし、車に載せるには、全長153cmの車体を入れることができる荷室のスペースが必要です。
後ろ座席を倒せばなんとか載るかなというレベル。
それに、アルミ合金の自転車で20kgあるので、クルマに載せるのに持ち上げる力がかなり必要です。
ギアは前はシングルで、後ろは8段(13-32T)となっています。
ディレーラーは、SENSAH V8。
SENSAH(センサー)は中国の自転車コンポーネントのメーカーです。
製品はコストパフォーマンスに優れ、ヨーロッパのプロチームが使用し、主要レースで結果も残すなど、注目されてるメーカーです。
オートライト機能があり、暗くなると自動的にライトが点灯します。
また、TSマーク取得中で、安全面もしっかり対応しています。
C2Jの走行性については、電気自動車にも使われている高性能の永久磁石ブラシレスDCモーターを採用。
出力が負荷に左右されずに速度をしっかりコントロールできます。
フレームの中に収められたバッテリーは、7500mAhのリチウムイオン電池で最大60㎞走れる。
BMS(バッテリー・マネジメント・システム)を搭載しており、バッテリーは約10年使えるとのことです。
C2J試乗インプレッション
今回も多摩湖自転車歩行者道を実際に試乗して、乗り心地や使い勝手など、良かったところ、気になるところをまとめてました。
実際に試乗した様子を今回もYoutubeで公開していますので、こちらもご参考に御覧ください↓↓↓
走行性インプレッション
電動アシスト自転車ですから、とにかく楽ちんに走れます。
C2Jのアシストモードは3段階です。
それぞれのモードで走ったときの印象は、どのモードで走っても走り出しに急に自転車が前に進んでしまうとかスピードが出すぎてしまうといったことはありませんでした。
まさにペダリングに合わせて出力がコントロールされている感覚がありました。
それぞれのモードの印象は以下のとおりです。
(あくまで私個人の印象ですので、人によって印象は少し違うかもしれません。)
モード1 | 走り出しやアシスト力はマイルド。 街中や平地の走行はこのモードで充分アシスト力を感じます。 |
モード2 | モード1に比べると電動アシストがよく効いているのが実感できます。 急発進はしませんが、スピードがすぐに出るので、電動アシストに慣れていない方はちょっと慣れが必要かも。 起伏のある道や車道を走るときはこのモードが最適。 |
モード3 | 強力なアシスト力を感じます。 急な坂道はこのモードで登るのが良いでしょう。 |
モーターのパワーは250W。
標準的なモーターパワーですが、アシストの味付けは、マイルドな感じです。
ペダルを踏んで自転車に乗っている感覚があって、私個人は好みの味付けでした。
しかし、アシスト力が弱いということではありません。
モード1でも巡航時はほとんど脚に力を入れずに軽〜く走ってくれます。
多摩湖自転車歩行者道を走っていて、脚に力をいれてペダルを思いっきり踏むという場面は一度もありませんでした。
脚力の弱い方やアシスト力を感じながら乗るのが好きな方は、モード2や3を中心に使うかもしれません。
少しだけ気になったのは、ケイデンスセンサーによる制御だと思いますが、漕ぎ出しでモーターがアシストするまでの間にほんの少し遅れがあるところ。
慣れてしまうと気にならなくなるのですが、最初のうち一瞬だけ「あれ?」と思うことがありました。
でも、この制御によってモーターアシストによる急発進などが抑えられているのではないかとも感じました。
C2Jの良かったところ
C2Jに乗ってよかったところをまとめました
スマートなデザインがオシャレ
電動アシスト自転車とは思わせないスマートなデザインは、とてもいい感じです。
直線を主体にしたデザインが、スポーティです。
街乗りやサイクリングなど様々なシーンで乗ってもマッチすると思います。
ライトがフレームの中に組み込まれているのもデザインとしてカッコイイ。
照射角度が調整できないのが気になりますが、心配なら予備のライトをハンドルなどにつければ問題ないでしょう。
カラーバリエーションはブラックとシルバーホワイトの2種類となっています。
今回、試乗したのはブラックですが、シルバーホワイトもいい感じですね。
自転車としての自然なアシスト力
走行性のインプレッションでも書きましたが、自転車を走らせている感覚で乗れる自然なアシスト力に好感がもてます。
EV電動自動車にも使用されている永久磁石ブラシレスDCモーターを採用することで、なめらかにアシストしてくれます。
自転車に乗っていて感じたのは、必要なときに必要なだけアシストしてくれる感覚です。
アシストが必要なときにしっかりと働いてくれ、非常に自然なライド感覚がありました。
また、電池切れなどでアシストが切れても、8段ギアを使って走れば、普通の自転車と同じように走ることもできます。
実際、アシストを切って走ってみましたが、坂道以外であれば、普通の自転車として充分楽しめる走りはできます。
大きな見やすい液晶パネル
C2Jの特徴的な部分。
ハンドルと一体になった液晶パネルがとても見やすい。
常に表示されるのは、
- 速度計
- 電池残量
- アシストモード
の3つだけです。
ライトが点灯すると、ライト点灯表示が出ます。
表示項目が少ないので、大きく表示されて非常に見やすいです。
走行中にちらっと見るだけでわかるので、安全面にも一役買っていると思います。
また、充電中に液晶パネルをONにすると、充電状態が表示されるのも面白いですね。
(充電が100%になると表示されなくなります。)
パネルがハンドルと一体なので見た目もスッキリしてます
C2Jの気になったところ
オシャレで自然な乗り心地のC2Jですが、気になった点もいくつかあります。
車体が重い
アルミ合金のボディなので致し方ない面もありますが、重量が約20kgあります。
重い分、ボディ剛性はしっかりしており安心感はあるのですが、なにせ重い!
ハンドルを折りたたんで153cmのボディが入るならクルマに載せることは可能です。
でも、自転車を持ち上げるのに「フンッ」と踏ん張る必要があります。
非力な女性では、一人で載せることはできないかもしれません。
そもそも、ボディが折りたためないのだから、持ち運びする自転車ではないと思います。
車載を前提として作られた自転車というよりは、通勤通学などの普段使いとしての自転車だと思います。
ただ室内保管する場合、保管場所によっては、この重さがデメリットになる可能性はありますね。
バッテリーは簡単に取り出せない
ボディのトップチューブ内にバッテリーが収納されており、バッテリーをかんたんに取り出すことはできません。
バッテーリーの交換は可能のようですが、通常はバッテリーを取り外して充電するような作りにはなっていません。
したがって、充電する時は、自転車ごとコンセントのあるところまで持っていかなければなりません。
なので、この自転車の重さを考えると、コンセントが室内にある場合は、自転車をそこまで持っていかなければなりません。
その場合は自転車の持ち運びに一苦労しそうです。
バッテリーを抜き取って、それだけを部屋に持っていって充電できるようになっていると便利だなと思いました。
ただし、BMS機能を搭載しており、バッテリーが10年使えることを謳っていることを考えれば、バッテリーの取り出しができなくても、持ち運びをしないで済む場所に充電場所が確保できるのであれば不便はないとも言えます。
パネルに走行距離表示がない
他の電動アシスト自転車のコントローラーには、走行距離がわかるものもあります。
しかし、C2Jの大きなパネルには走行距離の表示がありません。
C2Jは、バッテリーがフル充電で、走り方にもよりますが、60㎞まで走れると謳っています。
しかし、液晶パネルには、今何キロ走ったのかは表示されずわからないのです。
バッテリーの残量はわかりますが、あとどれくらい走れるのかを走行距離で目安にする方が多いと思います。
それができない点がちょっと残念ですね。
走行距離を正確に知ろうとするなら別途サイクルコンピューターを購入して取り付ける必要があります。
ただし、海外版では、QiCYCLEのアプリとの連携が可能なようで、このアプリとの連携ができれば走行距離を知ることが可能なようです。
今回の試乗では確認できませんでしたが、実際に自転車がお手元に届くときにはアプリとの連携が実現している可能性もあります。
オプションパーツについて
上記の写真のように、リアキャリアはオプションパーツとして販売されています。
また、前につけるバスケットもオプションパーツとして販売されています。
詳しくは、Makuakeの案内ページを御覧ください。
また、鍵は付いていませんので別途購入が必要です。
外出先で鍵をつけるのであれば、チェーンロックがおすすめです。
地球ロックなどを考えると110cm程度の長さは必要です。
また、保管は室内が望ましいですが、諸事情で外で保管を余儀なくされる場合は、チェーンロックにプラスしてU字ロックも追加でしておくと安心です。
100年の歴史があるアブスのバイク・自転車用の鍵は、信頼度も高くおすすめです。
まとめ
QiCYCLE C2Jは、ミニベロタイプのスマートな電動アシスト自転車です。
良いところ、気になったところをまとめておきます。
良いところ | 気になったところ |
・電動アシスト自転車とは思えなスマートなデザイン ・ペダリングに合わせてアシストパワーがコントロールされる自然な走行が可能 ・アシストが切れても8段変速で普通の自転車として乗ることができる ・ハンドル部に一体化された大きくて見やすい液晶パネル |
・車体は重い(約20kg) ・バッテリーのみを取り外して充電することはできない ・液晶パネルでは走行距離が表示されない |
折りたたみはハンドル部分しかできないのと、重量が重いので、どちらかというと通勤通学のパートナーとしてなど街乗りでの普段使いに向いています。
もちろん自走であればサイクリングも充分に楽しめます。
クルマに載せて遠出をすることがあまりないのであれば、気軽に乗れるコンパクトな電動アシスト自転車としておすすめできます!
普段使いの自転車としておすすめできます!